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令和7年 干支のおはなし「巳」

令和七年(皇紀2685年・西暦2025年)は、乙(きのと)巳(み)です。

巳は時刻でいうと午前11時頃で、一日の中で最も活気がある時間です。

動物でいうと『蛇』が当てられます。

 

蛇は世界中に生息しており、古代からエジプトやギリシャ等で「再生」や 「永遠」の象徴とされております。

日本においても古くから、世界と同様の縁起はもとより、田畑を荒らすネズミや害虫を退治するところから「豊饒の神」、また、脱皮を繰り返すことから「新たな姿に生まれ変わる」や、「新たな挑戦」「変化に対して前向きな姿勢」を暗示してきました。

そして、何と言っても『蛇』を代表する縁起は「金運」で、小判や金貨に刻まれることもあり、「富」や「幸福」「成功」を表すなど、『蛇』の見てくれとはかなり違いがあるようです。

 

私は『巳』の漢字に着目しました。

本年のキーワードは【起き上がる】です。現在は「走」に「己」となっておりますが、元は「走」に『巳』だったのです。

己が走っても【起き上がる】ことにはなりませんが、『巳(蛇)』は走る時に頭を「起」こしてから進むところからこの文字ができたのではないかと思っています。

【起き上がる】は「目覚める」や「横になっているものが直立する」という意味があります。

これは『巳(蛇)』がもつ様々な縁起と重なるものが多くあるように思えてなりません。

 

昨年は、地震や台風など災害が多発した年でした。

また、いまだにコロナ禍の影響が影を落としているように思います。

政治や経済におきましても、なかなか突破口を見出すに至りません。

本年は、混沌とした状況から「脱皮」して、被災地の方々が一日も早く「再生」し「起き上がる」年としていただき、一人ひとりが、世の中の変化に対して前向きに行動し、新たな自分に挑戦する年として邁進していただきたいと願っております。

 

『日本全体が活気にあふれ、輝きを取り戻す再生の年になりますように』

 

第36世宮司 鈴木邦房

川口氷川神社

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