『卯』は時刻でいえば午前六時頃で、辺りは夜明けと共に少しづつ明るくなり始めます。
今年はまさにコロナ禍に一定の認識が得られ、対策を講じる事が出来るようになる年であり、夜明けを迎える状況となりそうです。
この年を動物の「兎」になぞらえると、元気に飛び跳ねる「飛躍の年」「元気の年」となりますが、ここでは子、丑、寅と植物の成長に合わせ「種子」「芽」「根」と変化して参りましたので、その続きから追って考える事にします。
『卯』は「扉(とびら)」の象形文字と言われております。
今までの植物の成長の変化が「土の中」という、いわば暗い中の出来事だったのに対し、いよいよその「扉」を破り「土の中」から出て、明るい外の光を浴びようとする状況を意味します。
まるで、コロナ禍からの開放を示唆しているように思えてなりません。
つまり、暗い土の中で栄養を蓄え、努力を重ねてきた事が、ついに明るい場所で遺憾なく発揮される年と考える事が出来ます。
準備ができていないと、急に明るい場所に行くと目が眩むように、また、いきなり強い風に当たると身がすくんでしまう事になりますので、体調を整えておくことが肝心と思われます。
以上のように「兎」は「飛躍」がキーワードとなり、『卯』は「扉が開けられる」ことを象徴しており、いずれにしても明るく元気に 国難を突破する年となりそうです。
第36世宮司 鈴木邦房