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令和6年 干支のおはなし「辰」

コロナ禍も緩和されたとはいえ、その影響は少なからず残っているのが現状と言えましょう。

そのような中でも、昨年の「卯」(扉の象形文字)年では、それぞれの扉が開かれ、人によっては未来を開くものであったり、試練の扉であったことでしょう。

しかし、確実に扉は開けられたのです。

 

そして、今年「辰」は「龍(たつ、りゅう)」に当てはめられます。

十二支の中で「龍」だけが想像上の動物(?)です。

どのようにして世界中に広まっていったのかは知る由もありませんが、誰も見たことがないのに、誰もが知っているという不思議な生き物(?)です。

 

「辰」は時刻でいうと午前八時頃を示します。

社会全体が「活気づく」時間帯です。この漢字に「手偏」を付けると「振るう」という字になります。

「振」→「奮」→「震」は同義語で、「物が自分の持つ生命力、活力を発揮して振動する」という意味があります。

ちょうど春に土の扉を開けて天に昇る植物は、「龍」が身を振るわせながら天に昇っていく様子と重なり合うように見えます。

 

今年は自らを「振・奮」い立たせ、世のため人のために役立つように十分力を発揮していく年なのです。

ただし、思い付きや勢いだけで突っ走ると、物事は成就しません。「画竜点睛を欠く(※)」ことにならないように気を付けたいものです。

 

(※)がりょうてんせいをかく…龍の絵を立派に描き上げても、睛(瞳)を入れ  忘れると完成したことにならない。

  転じて、最後の仕上げまで気を抜いては いけない、という教え。

 

次の扉は開いております。まっすぐに進んでいける年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

 

第36世宮司 鈴木邦房

川口氷川神社

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