今年は「令和2年庚子(かのえね)」の年です。元号の始まりである「大化」から数えて248番目。
天皇は神武天皇から数えて126代目となり、西暦では2020年、日本の暦では2680年となります。
それでは、干支を見てみましょう。
昨年の「亥」で干支が一巡し、今年は干支の始まりである『子歳(ねどし)』です。
『子』は動物では「鼠(ねずみ)」が当てはめられ、時刻は午前0時、24時間の「始まり」です。
『子(ね)』は「種子(たね)」を表し、これもまた植物の「始まり」を表し、
『子(こ)』は「子供」の『子』を示すので、これも人間の「始まり」を示します。
つまり、物事の「始まり」や「誕生」を表すのです。
「種子」は、そのまま放っておくと、千年や二千年経ってもそのまま変化することはありません。
皆さんは埼玉県行田市の「古代蓮(こだいはす)」をご存知でしょうか?
ある時、地中深く眠っていた推定三千年前の「種子」が掘り起こされ、翌年自然発芽したものなのです。
また、一時、絶滅したと思われていた井の頭恩賜公園、
井の頭池の「イノカシラフラスコモ」や「ツツイトモ」の水草の群生が、昨年60年ぶりに繁茂しました。
このように「種子(またはそれに当たる核)」は「土壌」や「水」「光」などなど、
「発芽」するために様々な条件を必要とはするのですが、
逆に条件さえ整えば、やがて大木になったり、綺麗な花を咲かせる可能性を秘めているのです。
「子は宝」という言葉には、こうした意味も含まれているのではないでしょうか?
今年は、皆様がお持ちの「夢」「目標」「希望」等、
数々の「種子」に合う「水」「土」「光」を与え「発芽」させる時なのです。
放っておいたら何の変化もありません。
初心に立ち返る事の大切さに気付かせてくれるのがこの『子歳』なのです。
日本も新たな年を迎えました。
「大」きな「和」と書いて「大和(やまと)」と読む、日本の「初心」に立ち返る年、
そして物事を新たに始める年にしたいものです。
第36世宮司 鈴木邦房